
2025.12.19

クリニックを知ってもらう上で、SNSの運用は必須だと思いますが、私もインフルエンサーのように発信できるのか…。
こんな風にお悩みの開業予定ドクターは多いのではないでしょうか?
開院時、多くのコンサルタントから「今はSNSの時代です」と勧められ、渋々アカウントを作ったものの、「何を書けばいいのか」「診察で忙しいのにそんな暇はない」と頭を抱える先生は少なくありません。

結論から申し上げます。先生が「インフルエンサー」になる必要はありません。 大切なのは、デジタル空間に「先生の分身」と「温かいクリニックの空気感」を正しく配置することです。

まず、月額数十万円もするような運用代行業者への委託は、あまりおすすめしません。
〇「温度」が伝わらない
業者が書く記事は、どこかから引用したような「教科書的な内容」になりがちです。患者さんが求めているのは、その先生独自の考えや、現場のリアルな声です。
〇 医療広告ガイドラインのリスク
医療知識のない担当者が「最高」「完璧」といったNGワードを使用し、知らない間に法令違反を犯すリスクもあります。
〇 費用対効果の低さ
医療経営の力学を理解しないまま「いいね」の数だけを追い求めても、実際の来院には繋がらないかもしれません。

SNSやブログの投稿に迷ったら、以下の**「7:3の法則」**を意識してください。
【7割】医師としての「信頼」を築く専門記事
患者さんは「自分の症状を解決してくれるか」を見ています。
【3割】ひとりの人間としての「親近感」を醸成する記事
「この先生なら話しやすそう」という安心感が、予約の最後の一押しになります。

先生がすべてを抱え込む必要はありません。役割分担を明確にすることで、継続可能な運用体制を構築しましょう。
| 役割 | 担当 | 具体的な業務 |
| 企画・監修 | 医師 | 投稿のテーマ決定(今週は「冷え性」についてなど)、専門記事の要旨作成、最終チェック。 |
| 制作・投稿 | 担当 スタッフ | 写真撮影(院内の様子など)、文章の清書、SNSへのアップロード、コメントの一次確認。 |
| 分析 | 受付事務等 | どの投稿がきっかけで来院が増えたか、HPのアクセス数は伸びているかの確認。 |

文章が苦手な先生は、スタッフに「口頭で」伝え、それをスタッフがスマホで録音・要約して記事にする方法も効率的です。
運用の全体像を整理しましょう。
SNSからホームページの予約ページへ、流れるような導線を設計することが、積極的な患者獲得への近道となります。
SNS運用で最も大切なのは、凝った編集よりも**「そこに先生とスタッフの体温を感じられるか」**です。無理をして毎日投稿する必要はありません。週に2~3回、クリニックの日常と有益なアドバイスを発信するだけで、地域住民にとっての「一番身近なクリニック」になることができます。

次の一歩として、まずは「スタッフの中でSNSが得意な(または好きな)方」を募り、一緒に投稿ルールを作ってみるのはいかがでしょうか?
Fly-upでは、既存クリニックの広告戦略やSNS運用の成功例などもしっかりご案内します。些細なことも、ぜひお気軽にご相談ください。