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クリニック開業時の、税理士・社労士選定

クリニック開業時の疑問

2025.10.02

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開業当初は「月々の経費を抑えたい」、「家族でやれるのでは」とお考えになるのは当然です。
しかし、適切な専門家への依頼は「経費」ではなく、むしろ「未来への投資」と捉えるべきかもしれません。

専門家主な役割と業務内容依頼のメリット
(先生が得られるもの)
税理士・確定申告書作成
・税務調査対応
年末調整
・会計・帳簿作成
資金繰り
・経営計画のアドバイス
税金面の安心と節税対策
・経営状況の数値化による適切な判断
将来的な事業展開のサポート
社労士・労働社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険等)の加入・脱退手続き
・就業規則作成
給与計算
・労務管理全般
労務トラブルの予防
・法令遵守(コンプライアンス)の徹底
院長が労務管理に費やす時間と手間の削減

医師が専門家に依頼する最大の理由

  • 診療と経営への集中
    • 税務や労務管理といった煩雑で専門知識を要する業務をアウトソーシングすることで、先生にしかできない「診療」「患者対応」「クリニック経営」といった核となる業務に、時間とエネルギーを最大限に注げます。
  • 医業特有の知識の壁
    • 一般企業と異なり、クリニック経営では保険診療に関わる知識や、医療法人化の検討など、医業特有の会計・税務・労務の知識が不可欠です。専門外の知識で誤った判断をすると、後々の大きなトラブル(税務調査での指摘、労使間の問題など)に繋がりかねません。

失敗しない専門家の選び方

インターネットの比較サイトでは安価な顧問料を提示する事務所も多く、どうしても価格で判断しがちですが、サービスの質が低ければ結果的に十分なメリットも得られないかもしれません。以下のポイントを参考に、質の高いサポートを提供してくれる専門家を選びましょう。

1. 「医業」に長けた専門家を選ぶ

選定のポイント理由
医療機関の顧問経験が豊富か医業特有の会計・税務・労務知識(保険診療、医療法人会計、医師の働き方改革など)を持つ事務所を選びましょう。経験が少ない場合、適切なアドバイスが得られないリスクがあります。
複数のクリニックを顧問先に持っており、些細な相談にも真摯に向き合ってくれる事務所か多くの医療機関をサポートしている実績は、その専門家が厚い信頼を得ている証拠であり、医業の実情をしっかりと把握しているはずです。また、開業当初は税務や労務面も分からないことが多く、気軽に相談のできるパートナーであることも大切です。

2. 開業準備の段階からサポートを依頼する

  • 依頼開始の目安: 税理士は融資相談の前、社労士はクリニック開業の6ヶ月ほど前
  • 理由:
    • 税理士: 融資の相談、事業計画の策定、届出書類の準備など、開業前の資金面をサポートしてもらえます。
    • 社労士: スタッフの採用・面接、労働条件の決定、就業規則の作成、社会保険の加入手続きなど、採用前からサポートしてもらうことで、スムーズなスタートと労務トラブルの予防に繋がります。

3. 選定方法:比較と紹介を組み合わせる

「税理士・社労士をどのようにして決めているのか」というご質問には、多くの先生が「紹介」を重視しているという傾向があります。

  • 最も信頼できる方法:同業の先生からの紹介
    • 先輩・知り合いの先生方が実際に利用して「適切だった」「親身になってくれた」と評価する専門家は、サービスの質についても信頼ができる可能性が高いでしょう。
  • 効率的な方法:コンサルタントからの紹介
    • クリニック開業コンサルタントは、医療機関のサポート実績が豊富な専門家とのネットワークを広く持っているため、より先生のニーズに合った方を紹介してくれるはずです。
  • 注意点:顧問料の比較は二の次
    • 顧問料が安価であることは魅力ですが、サービス内容や専門性が価格に見合っているかを必ず確認してください。適切なアドバイスとサポートを受けられれば、その顧問料は十分にペイできる(回収できる)投資となります。

まとめ:専門家は「経営のパートナー」

税理士・社労士は、単に「税金の手続きをする人」「書類を作成する人」ではなく、先生の「クリニック経営の重要なパートナー」です。特に、医業に精通した専門家であれば、経営の資金繰りから人材・労務管理まで、多岐にわたる課題解決をサポートしてくれます。

質の高いサポートを得て、先生が本来集中すべき診療に邁進できる環境を整えることが、クリニックの成功への最短ルートです。

Fly upはクリニック開業支援を通して、医業に精通した信頼のできるパートナー(税理士や社労士など各専門家)をご紹介します。 

また、単なる専門家への橋渡しだけではなく、より良いご開業に向けて、パートナーそれぞれが常に足並みを揃えた連携支援に努めています。


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