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クリニック開業時のスタッフ構成は「人数」ではなく「バランス」で決まる

2026.05.16

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開業準備の中でも、もっとも悩ましいのがスタッフ構成です。

アドバイザー

人件費は固定費の中でも大きな割合を占め、一度採用したスタッフを簡単に減らすことはできません。

だからこそ、「何人採るか」ではなく「どんな人を、どんなバランスで揃えるか」。
今回は、開業後の安定した運営を左右するこのトピックについて、アドバイザーの視点で考えていきます。

1. 開業時は『最小限の人数』ではなく『最適なバランス』を

アドバイザー

開院直後の来院数は、あくまで予測でしかありません。
過剰な人員配置は人件費を圧迫し、逆に少なすぎると患者対応が追いつかず、悪評につながる。

特に注意すべきは、
 • パートでも安易に解雇できない
 • 採用しすぎても、採用しなさすぎてもリスクになる
という点です。

最初に揃えるべきは、頭数ではなく役割。
例えば、 医療専門職(看護師・准看護師)。医療事務(受付・会計・レセプト)。兼務できる人材(柔軟性の高い人)。etc…
こういった、『人数より機能を揃えるイメージ』が大切です。

2. 採用は「開業の半年前」から動くべき理由

アドバイザー

開業直前に採用を始めると、どうしても妥協した採用になりがちだからです。

応募者が少ない。選考に時間が取れない。有料求人や紹介会社に頼らざるを得ない。とりあえず採るという判断になりやすい…。

こういった事態を避けるためにも、開業の6ヶ月前から採用活動を開始するのが理想です。

アドバイザー

また、新規開業は応募が集まりやすいとされていますが、油断は禁物です。

なぜなら、医療業界では以下のような傾向にあるとされているからです。

 • 看護師は応募が減少傾向にある
 • 医療事務も応募数が減っている
 • 競合クリニックの増加で、人材の取り合いが起きている

だからこそ、早めの採用活動が、良い人材を選べる方法なのです。

3. まずは「主軸となる常勤スタッフ」を決める

アドバイザー

採用の順番として最もおすすめなのは、

① 主軸となる常勤スタッフ(看護師 or 医療事務)を先に決める
② その人のスキル・年齢・人柄に合わせて、他のスタッフを組み合わせる

という流れです。

主軸スタッフが決まると、

 • シフトの組み方
 • 他スタッフの年齢バランス
 • 経験値の補完
 • 院内の雰囲気づくり

などが一気に整いやすくなります。

4. 開業直後は「院長よりスタッフの方が慣れている」ことを理解する

開業医の多くが陥るのが、「スタッフの方がクリニック運営に詳しい」という現象です。

アドバイザー

看護師や医療事務は、前職でクリニック業務に慣れていることが多く、
院長よりも実務に詳しいケースが多々あります。

これは安心材料である一方、丸投げするとトラブルになりかねません。

院長も、以下の点については最低限把握しておくとよいでしょう。

 • レセプト処理の流れ
 • 備品発注の仕組み
 • 予約・電話対応の基本
 • 業務分担の適正
 • 患者対応の基準
 • etc……

アドバイザー

すべてを完璧に覚えておく必要はありません。ただし、全体の流れを把握する姿勢が重要です。

5. 開院後の状況を見ながら、早めに人員追加を検討する

開院後、患者数が増えてくると、

 • 受付が回らない
 • 電話が取れない
 • 待ち時間が長くなる
 • スタッフが疲弊する

……といった問題が起きます。

アドバイザー

この状態を放置すると、悪評が口コミで一気に広がるのがクリニックの怖いところ。「人件費率だけで判断しない」ことが重要です。

もちろん、売上に対する人件費率は重要ですが、患者へのサービスが落ちる前に手を打つことが最優先です。

6. スキルか、人柄か?

 • スキルが十分ではない → 患者対応の質が落ちる
 • コミュニケーションの丁寧さに欠ける → 院内の雰囲気が悪くなる

……どちらも致命的です。

アドバイザー

最も重要なのは「リーダー候補の存在」です。

模範となる対応ができる人材がいると、他スタッフをまとめられる上に、
全体的なスタッフの患者対応の質が上がります。
院長の意図を理解できる人であれば、スタッフ全員との意思の疎通が楽になります。

ただし、過度な権限移譲は避けた方がよいでしょう。院長が状況を把握し続けることが前提です。

7. 患者は、院長以上にスタッフを見ている

クリニックの口コミは、スタッフ対応で決まると言っても過言ではありません。

アドバイザー

受付の態度、電話対応、看護師の言葉遣い、会計のスピード、院内の雰囲気……。

これらが、患者の満足度を大きく左右します。

満足してもらえるクリニックを作るには、院長自身の主体的な雰囲気作りが重要です。

 • 至らない点があれば、院長が誠意を持って対応する
 • スタッフ間のコミュニケーションを大切にする
 • etc……

人任せにしない院長が、よいクリニックをつくります。

8. まとめ

アドバイザー

クリニック開業時のスタッフ構成は、人数ではなく、バランスとタイミングが重要です。

 • 早めの採用
 • 主軸スタッフの選定
 • 院長の状況把握
 • 患者サービスの維持
 • スタッフの育成と雰囲気づくり

これらを院長自身が丁寧に積み重ねることで、開業後の安定運営と、患者から選ばれるクリニックが実現します。


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